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2025.09.19
ゾレア皮下注射(アレルギー治療)について

ゾレア(成分名:オマリズマブ)は、2週間または4週間ごと皮下注射するアレルギー治療薬です。

ゾレアを使用できるのは、喘息季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)、慢性的なじんましんの患者さんのうち、他の治療薬で十分な効果が出なかった人です。

2021年4月には、家で使用可能な自己注射剤として保険適用されました。

 ※ただし季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)は対象外→花粉症で服用する場合は、自己注射は認められておらず、通院して皮下注射を受ける必要があります。

ゾレアとはどのような薬か

ゾレアは、オマリズマブという成分を配合した皮下注射剤です。オマリズマブには、アレルギー症状の原因となるIgEという物質に結合して、アレルギー反応を抑える作用があります。

体内に、ダニや花粉などアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が入ると、IgEという物質が、アレルゲンと結合した状態で肥満細胞に結合します。

すると、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどアレルギーを引き起こす物質が放出され、喘息や花粉症、じんましんなど、アレルギー性疾患の症状が引き起こされるのです。

ゾレアはIgEと結合することで、IgEとアレルゲンが結合するのを妨げ、アレルギー疾患の症状を防ぎます。

ゾレアの使い方

~準備~

注射する約20分前に冷蔵庫から取り出し、箱のまま室温に戻します。(シリンジは使用する直前に箱から出してください)

ゾレアの服用方法は、症状や血液中のIgE濃度、年齢、体重によって異なります。

ゾレアを注射する箇所は上腕部の外側・腹部・太もものいずれかです。一度に2本以上のゾレアを注射する場合は、3cm以上離れた箇所に注射します。

疾患名年齢などの条件投与量
喘息・6歳以上
・他の治療法では喘息発作を上手に抑えられない場合にゾレアを服用します。
1回75ml〜600mg(オマリズマブの量として)を、2週間または4週間ごとに皮下注射します。1回あたりの投与量や投与間隔は、血液中のIgE濃度と体重から設定(投与量換算表に基づく)します。
季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)・12歳以上
・アレルギー検査によりスギ花粉抗原に対する値がクラス3以上
・ヒスタミンH1受容体拮抗薬と併用すること
1回75~600mg(オマリズマブの量として)を、2週間または4週間ごとに皮下注射します。1回あたりの投与量や投与間隔は、血液中のIgE濃度と体重から設定(投与量換算表に基づく)します。
特発性(原因不明)の慢性じんましん・12歳以上
・原因が特定できない慢性的なじんましんのうち、他の治療法でもかゆみが抑えられない場合にゾレアを追加で皮下注射します。
1回300mg(オマリズマブの量として)を、4週間ごとに皮下注射します。

ゾレアの副作用と注意点

副作用

ショック・アナフィラキシーがあります。次のような症状があらわれたら、速やかに受診していただきます。

 ・気管支のけいれん、息苦しさ

 ・血圧の低下、血の気が引く

 ・じんましん

 ・唇、舌、のどが腫れる

上記の症状は、服用からしばらく経ったあとでも起こる可能性があります。

また、次のような症状が出る場合もあります。

 ・注射部位の赤い腫れ、かゆみ

 ・めまい

 ・眠気

 ・頭痛

これらの症状は、すぐに改善されることが多いのですが、心配なら来院していただきます。

注意点

✔今までに、医薬品や食べ物などでのアレルギー症状の有無を必ず確認させていただきます。ゾレアは、天然ゴム(ラテックス)アレルギーがある人には使用できません。

✔ゾレアは、喘息の発作を抑える薬ではありません。発作が起こり、咳や息苦しさが強くなってきた場合は、医師から処方された発作治療薬(リリーバー)を服用してください。


費用について

ゾレア皮下注75mg/150mgシリンジによる治療を受けた場合の薬剤費(1ヵ月投与あたり)

ゾレア皮下注75mg/150mg/300mgペンによる治療を受けた場合の薬剤費(1ヵ月投与あたり)

※薬価は2025年4月時点(シリンジ)と2024年8月時点です。

※ゾレアを含む治療で高額療養費制度が適用されるかどうか検討される際は、保険加入先にお問い合わせされることをおすすめします。

投与までの流れ

①初回診察と適応評価

アレルギーの症状や病歴、これまでの治療内容を医師が診察し、ゾレア治療の適応があるか確認します。また、血清総IgE値などを測定するために血液検査を行います。

②投与量と投与間隔の決定

血液検査の結果を元に、投与量と投与間隔が決定されます。ゾレア治療の適応がある場合でも、まずは標準的な治療を行い、効果を確認します。

③ゾレアの予約と発注

標準的な治療で効果不十分でゾレアの投与が適応と判断された場合、治療の費用や内容を説明し、同意を得てから投与の予約を行います。

予約日に合わせてゾレアを発注、準備します。

④ゾレアの投与

病院での投与、または院内にて自己注射方法を説明し、自己注射での投与をスタート。

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